授業の見方
読者対象:
出版年月:
ページ数:216
新しい学習指導要領が目指す
真のミッション…
それは、
授業改善!
他者の授業は、教師自身の問題解決学習。
適切な「見方」は、授業の隠れた意図、授業改善の本質を見抜く力を磨く。
だから、あなたの授業がどんどんよくなる!
もっとおもしろくなる!
「主体的・対話的で深い学び」「AL」「カリマネ」の目指すベクトルは、すべて「授業改善」に向けられています。
「学びの質に着目して、授業改善の取組を活性化しようというのが、今回の改訂が目指すところである。平成26年11月の諮問において提示された『アクティブ・ラーニング』については、子供たちの『主体的・対話的で深い学び』を実現するために共有すべき授業改善の視点として、その位置付けを明確にすることとした」
(中央教育審議会答申、平成28年12月)
「学校の教育活動を進めるに当たっては、各学校において、第3の1に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、次の(1)から(3)までに掲げる事項の実現を図り、児童に生きる力を育むことを目指すものとする」
(小学校学習指導要領第1章総則2、平成29年3月)
新しい学習指導要領が求める、これからの授業改善とは?
授業には、あなたの授業を改善するために欠かせない「見方」があります。それを解き明かすことが本書の目的です。
他者の授業を見るという行為は、言うなれば教師自身の問題解決的な学習そのものです。いくつかの視点に基づいて見ることによってはじめて、参観者(自分自身)にとってその授業に意味と価値が生まれます。そして、その意味と価値を材料として自分の授業の問題解決を図っていく、そういう種類の問題解決的な学習なのです。
授業は生き物です。同じ内容、同じ指導案であっても、教師と子供が違えば授業の姿もまた様変わりします。そのため、偶発性や固有性に頼ると見誤ります。重要なのは、授業の根底に流れる法則や本質を「見抜く目」です。
その目は、知らず知らずのうちに、あなたの授業を変えてくれます。そのような意味で、「授業の見方」とは、授業改善のための自動装置にほかなりません。授業を見る目が磨かれれば、授業はどんどんよくなる、もっとおもしろくなるのです。
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本書は、学習指導要領改訂のキーマンの一人である澤井陽介・文部科学省視学官が、新しい学習指導要領が求める教師の指導力とは何か、授業をどのように改善していけばよいのか、「授業の見方」を通して、その手法のすべてを明らかにします。
序章
本書のミッション
教師自身の主体的な問題解決的学習
授業を見る2つのベクトル
第1章
学びのプロセスを質的に高める授業改善の視点
これからの教師に求められる指導力とは?
1 「主体的な学び」とは?
2 「対話的な学び」とは?
3 「深い学び」とは?
4 「見方・考え方」とは?
5 授業をデザインし、マネジメントする力
第2章
授業の見方を「知る」
授業者を通して授業を見る
1 指導案とは何か?
2 指導案を読み取る
①単元や本時の「目標」を読み取る
②単元や本時の「内容」を読み取る
③「学習活動」を読み取る
④教師の指導の「手立て」や「支援策」を読み取る
⑤学習評価を読み取る
⑥学習環境や人材など整えるべき条件を見る
3 板書から授業を見る
①板書で学習問題(課題)と思考の関係を見る
②板書で教師のコーディネート力を見る
③板書で学習のまとめ方と子供の理解を見る
4 学習展開から授業を見る
①時間配分から展開を見る
②思考の転換ポイントを見る
③学習形態の変化から展開を見る
子供を通して授業を見る
1 子供の学習の様子から授業全体を見る
①子供の発言の仕方から学級づくりを見る
②記述している姿から見る
2 子供の姿からよい授業を実現する条件を見る
①生活科から学ぶ
②総合的な学習の時間から学ぶ
3 教室中の様々な位置から授業を見る
①後ろから教師の手立てを見る
②横から教師と子供のやりとりを見る
③前から子供の反応を見る
4 授業を記録する
①教師と子供のやりとりを記録する
②授業記録の取り方には様々ある
第3章
授業の見方が「生きる」
学級の子供たちへの目線が変わる~子供の存在をあらためて知る~
1 「反応する力」を育てることの大切さに気付く
2 子供の特徴を生かし、居場所をつくることの大切さに気付く
3 子供の学習状況を把握することの大切さに気付く
4 複数の子供の反応例
教師としての心の立ち位置が変わる~教師の役割をあらためて知る~
1 子供の目線に立つようになる
2 子供同士のつなぎ役を担うようになる
3 事前の準備の大切さに気付く
授業への思いが変わる~自分の未熟さをあらためて知る~
1 モデルをイメージできるようになる
2 授業を語りたくなる
第4章
授業の見方が「生かす」
「研究授業はコケるもの」と覚悟する
1 なぜ自分の失敗に気付けるのか
2 課題がなければ改善に着手できない
3 参観者への過剰な意識を捨てる
「ゴールがないから研究」と割り切る
1 得をするのは授業者か参観者か
2 AかBか、A+Bか
「指導案」は30分相当の内容でつくる
1 Q&Aを精査する
2 揺るがない言葉を選ぶ
「授業協議会への参加姿勢」を変える
1 授業者の努力に応える
2 記録を基に発言する
3 代案を提示する
4 進化している授業協議会
「社会科のカリキュラム・マネジメント」を実現する
おわりに