「資質・能力」と学びのメカニズム
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ページ数:216
中央教育審議会キーマン・奈須正裕教授が 新学習指導要領を徹底的に読み解く―。 平成29年3月に告示された新学習指導要領における重要な主題は「資質・能力」です。つまりそれは、教育に関する主要な問いを「何を知っているか」から「何ができるか」、より詳しくいえば「どのような問題解決を現に成し遂げるか」へと転換させるものです。その意味を理解するためには、これまでの世界各国を巡る「資質・能力」論の動向、産業社会から知識基盤社会への移行との関わり、そして何よりも、「そもそも子供はどのように学ぶのか?」という学びのメカニズムについての知見が必要不可欠です。 そこを立脚点にすると、今こそ教科の本質を問い「見方・考え方」を整理するべき理由や、「主体的・対話的で深い学び」が特定の型にはめた学習法であってはならない理由がより一層納得できるでしょう。 本書では5つの切り口から、新学習指導要領を体系的に読み解きます。 Ⅰ 育成を目指す「資質・能力」 Ⅱ 知識基盤社会の到来 Ⅲ 社会に開かれた教育課程 Ⅳ 各教科等の特質に応じた「見方・考え方」 Ⅴ 主体的・対話的で深い学び 新学習指導要領の実際を、ひとつのストーリーとして詳細に語る解説書は、本書がオンリーワンです。未来を担う子供たちを優れた問題解決者とするために、日々がんばっている全ての先生方に捧げます。 ------------------------------------ こんな疑問をもっている方にオススメ! Q 日本の学校はこれから、どんな役割を果たせばいいのでしょう? Q 今改訂にまつわる議論は、どんな感じで進んだのですか? Q 「B問題」の正解率はどうしたら上げることができますか? Q これからの社会では、本当に機械が仕事を奪っていくのでしょうか? Q だとしたらこれから必要な人材とはどのような人のこと? Q 「見方・考え方」というのはそもそも、どういったことを指していますか? Q なぜ、学習指導要領ではアクティブ・ラーニングという言葉が用いられなかったのですか?
まえがき
今後の学習指導要領改訂スケジュール
第1章 子供の視点に立って教育課程を編む
学習指導要領と教師の日常
1 国家が定める教育課程の基準
2 すべての教職員がカリキュラム・マネジメントの担い手
3 教科横断的な視点
4 学校が果たすべき役割の水準から議論する
なぜ一〇か月に渡って教科等別の部会が立ち上げられなかったのか
1 教科等別の議論の結果を綴じ合わせたものが教育課程になっていた可能性
2 言語活動の充実
3 知識の体系から資質・能力の体系へ
4 教育課程企画特別部会
5 学習する子供の視点に立つ
第2章 資質・能力を基盤とした教育
資質・能力を巡る国内外の動向
1 世界のトレンドとしての資質・能力育成
2 「生きる力」から「三つの視点」、そして「資質・能力の三つの柱」へ
内容と資質・能力の関係
1 内容を通して資質・能力を育む
2 教科等の本質を拠り所に内容と資質・能力の調和的実現を目指す
3 奈良の「学習法」と「子供がする授業」
コンピテンスという思想
1 ホワイトによるコンピテンスの提唱
2 コンピテンスから見た幼小の連携・接続
3 一生涯を一つの学びの原理で突き通す
質の高い問題解決の実行を支えるトータルな学力
1 コンテンツ・テストの成績は人生の成功を予測しない
2 子供を優れた問題解決者にまで育て上げる教育
転移への過剰な期待は誤りである
1 内容中心の教育の教育原理
2 A問題とB問題の得点差をもたらすもの
3 状況に埋め込まれた学習
非認知的能力の重要性と育成可能性
1 マシュマロ・テスト
2 自制心は根性や気合ではない
3 意欲も無気力も学習される
マインドセットとメタ学習
1 二つのマインドセット
2 第四の次元としてのメタ学習と省察
3 メタ認知
第3章 知識基盤と社会に開かれた教育
農業社会から産業社会へ
1 産業革命と教育
2 ペスタロッチの夢
3 アダム・スミスの懸念
産業社会から知識基盤社会へ
1 要素的な知識・技能の価値の低下
2 「型にはまった仕事」が機械に取って代わられる
3 魅力的なオマケが莫大な富を生む時代
4 「いつかはクラウン」
5 「抑圧」と「安定」から「自由」と「不安」のセットへ
6 市民としての生き方と教育
社会に開かれた教育課程
1 教えるべき正解を失った学校
2 学校再生のまたとない好機
3 ようやく訪れた幸福な一致
4 学校と社会が目標を共有する
5 社会に開くと同時に子供にも開かれた教育課程
第4章 各教科等の特質に応じた「見方・考え方」
日常の生活経験だけでは到達しがたい科学的認識の深まり
1 教科をしっかりと教える
2 文化遺産の継承・発展
3 教科の系統
4 教科は非常識
「見方・考え方」の角度から教科を眺め直す
1 対象と方法
2 対象適合的な「見方・考え方」
3 その各教科等ならではの「学びに向かう力・人間性等」
4 野生の思考
5 教科等を超えて有効な「見方・考え方」
6 鋭角的な学びと間口の広い学び
第5章 主体的で対話的で深い学びの実現
アクティブ・ラーニングという言葉
1 はじまりは大学教育改革だった
2 なぜ、学習指導要領ではアクティブ・ラーニングという言葉が用いられなかったのか
主体的・対話的で深い学びを実現する三つのポイント
1 資質・能力を育むために必要な学びの在り方
2 創意工夫に基づく指導方法の不断の見直しと「授業研究」
3 「学び」という営みの本質を捉える
有意味学習
1 子供はすでに膨大な知識を持っている
2 既有知識を洗練・統合する教師の意図性・指導性
3 対話的な学びによる知識の構築
4 「主体的な学び」としての生き方に迫る学び
オーセンティックな学習
1 学びの文脈を本物にする
2 トマトの授業
3 活性化された知識の条件
4 解けない問題
5 「科学する」学び
6 誤った操作を見過ごす覚悟
明示的な指導
1 教科の得意・不得意を分けるもの
2 今こそ教科内容研究の復権を
3 ブルーナー・リバイバル
4 学習経験に潜在する抽象的意味の概念化を促す
5 汎用的な思考の道具を整理して手渡す
6 方略を自在に使いこなせるための四つの関門
7 「お道具箱」の整理
8 いきなり核心に切り込むアプローチ
9 文脈が取れないというつまずき
資質・能力が兼ね備えるべき汎用性の正体
引用・参考文献
あとがき
著者紹介
Q 「主体的な」学びと言うと漠然としているのですが、それは何をもたらすのですか?
Q 「対話」していると、授業には無関係なギモンなどが出てくることもありますが?
Q 「深い」学びをするのに、授業の時数を増やさなくて平気ですか?…etc
まえがき
今後の学習指導要領改訂スケジュール
第1章 子供の視点に立って教育課程を編む
学習指導要領と教師の日常
1 国家が定める教育課程の基準
2 すべての教職員がカリキュラム・マネジメントの担い手
3 教科横断的な視点
4 学校が果たすべき役割の水準から議論する
なぜ一〇か月に渡って教科等別の部会が立ち上げられなかったのか
1 教科等別の議論の結果を綴じ合わせたものが教育課程になっていた可能性
2 言語活動の充実
3 知識の体系から資質・能力の体系へ
4 教育課程企画特別部会
5 学習する子供の視点に立つ
第2章 資質・能力を基盤とした教育
資質・能力を巡る国内外の動向
1 世界のトレンドとしての資質・能力育成
2 「生きる力」から「三つの視点」、そして「資質・能力の三つの柱」へ
内容と資質・能力の関係
1 内容を通して資質・能力を育む
2 教科等の本質を拠り所に内容と資質・能力の調和的実現を目指す
3 奈良の「学習法」と「子供がする授業」
コンピテンスという思想
1 ホワイトによるコンピテンスの提唱
2 コンピテンスから見た幼小の連携・接続
3 一生涯を一つの学びの原理で突き通す
質の高い問題解決の実行を支えるトータルな学力
1 コンテンツ・テストの成績は人生の成功を予測しない
2 子供を優れた問題解決者にまで育て上げる教育
転移への過剰な期待は誤りである
1 内容中心の教育の教育原理
2 A問題とB問題の得点差をもたらすもの
3 状況に埋め込まれた学習
非認知的能力の重要性と育成可能性
1 マシュマロ・テスト
2 自制心は根性や気合ではない
3 意欲も無気力も学習される
マインドセットとメタ学習
1 二つのマインドセット
2 第四の次元としてのメタ学習と省察
3 メタ認知
第3章 知識基盤と社会に開かれた教育
農業社会から産業社会へ
1 産業革命と教育
2 ペスタロッチの夢
3 アダム・スミスの懸念
産業社会から知識基盤社会へ
1 要素的な知識・技能の価値の低下
2 「型にはまった仕事」が機械に取って代わられる
3 魅力的なオマケが莫大な富を生む時代
4 「いつかはクラウン」
5 「抑圧」と「安定」から「自由」と「不安」のセットへ
6 市民としての生き方と教育
社会に開かれた教育課程
1 教えるべき正解を失った学校
2 学校再生のまたとない好機
3 ようやく訪れた幸福な一致
4 学校と社会が目標を共有する
5 社会に開くと同時に子供にも開かれた教育課程
第4章 各教科等の特質に応じた「見方・考え方」
日常の生活経験だけでは到達しがたい科学的認識の深まり
1 教科をしっかりと教える
2 文化遺産の継承・発展
3 教科の系統
4 教科は非常識
「見方・考え方」の角度から教科を眺め直す
1 対象と方法
2 対象適合的な「見方・考え方」
3 その各教科等ならではの「学びに向かう力・人間性等」
4 野生の思考
5 教科等を超えて有効な「見方・考え方」
6 鋭角的な学びと間口の広い学び
第5章 主体的で対話的で深い学びの実現
アクティブ・ラーニングという言葉
1 はじまりは大学教育改革だった
2 なぜ、学習指導要領ではアクティブ・ラーニングという言葉が用いられなかったのか
主体的・対話的で深い学びを実現する三つのポイント
1 資質・能力を育むために必要な学びの在り方
2 創意工夫に基づく指導方法の不断の見直しと「授業研究」
3 「学び」という営みの本質を捉える
有意味学習
1 子供はすでに膨大な知識を持っている
2 既有知識を洗練・統合する教師の意図性・指導性
3 対話的な学びによる知識の構築
4 「主体的な学び」としての生き方に迫る学び
オーセンティックな学習
1 学びの文脈を本物にする
2 トマトの授業
3 活性化された知識の条件
4 解けない問題
5 「科学する」学び
6 誤った操作を見過ごす覚悟
明示的な指導
1 教科の得意・不得意を分けるもの
2 今こそ教科内容研究の復権を
3 ブルーナー・リバイバル
4 学習経験に潜在する抽象的意味の概念化を促す
5 汎用的な思考の道具を整理して手渡す
6 方略を自在に使いこなせるための四つの関門
7 「お道具箱」の整理
8 いきなり核心に切り込むアプローチ
9 文脈が取れないというつまずき
資質・能力が兼ね備えるべき汎用性の正体
引用・参考文献
あとがき
著者紹介