成長する授業
読者対象:
出版年月:
ページ数:194
「図工って、こんなに面白い!」
図工の指導ってなんだかむずかしい。「何をどこまで教えたらいいのかな…」「何から何まで指示してしまったけれど、これで本当にいいのかな…」「楽しそうにつくっているから放っておいてしまったけれど…」。
「“表現する”とはなにか?」「“鑑賞する”とはどういうことか?」、考えれば考える程、悩みは尽きません。その悩み、解決するためのヒントは「子供の学習の質を捉えることのできる目」。授業中の子供の姿を、焦らずにしっかり見れるようになれば、子供が図画工作を通して様々に学んでいることがわかってきます。本書では、教師と子供が共に楽しみながら成長できるようになるための指導のヒントや声かけの具体的なポイント、育まれる教師の力になどついて考え、図画工作科という教科の魅力に迫りました。
上智大学教授 奈須正裕教授 推薦
――本書は、図画工作の本質とは何か、その指導のポイントは何か、教師はどのような成長を遂げ、子供たちはどのような資質・能力を獲得するのかという広範なテーマについて、実践の具体に即した穏やかな語りを通して多くのことを教えてくれる。
本書の至る所で、子供の学びという営みの本質に関する何とも深い洞察と出合うことができる。
図画工作の教育は、もちろん造形に関わる表現と鑑賞の活動を通して、その豊かに美的で個性的な実現を可能とする様々な資質・能力を育てる。しかし、それに留まることなく、子供たちが一生涯に渡って美的に、創造的に、感性豊かに、そしてそれらとの関連において知性的に、思慮深く、また粘り強く、あるいは多様な他者と軽やかで多様な協働を進めながら生きていくことを支える様々な資質・能力をも併せて育成している。本書の白眉は、そのことを豊富な実践の事実、愛らしい子供の姿を持って説得的に語り綴っている点であろう。
(公益財団法人教育美術振興会 月刊『教育美術』2017 年10 月号掲載書評より)
読者から共感の声続々!!
――指導はこうあるべき!!的な「べき論」「指導力」といった重い感じがないことが嬉しいです。
――教育の本質が優しい言葉で語られていて、一気に読んでしまいました。子どもが夢中になる指導のヒントが満載なので、(例えば、学びを深める教師の声かけとそのタイミングなど)図工が苦手な先生も、この本を読むと、図工の授業がしたくてウズウズしてくるだろうなと思いました。
【図画工作を通して成長する子供たちのつぶやき】
「こっちにしよう」「こうすればできる?」「よし、やってみよう」
「ちがうね、にてるね」「もっと見せて!」「へぇー! あぁ!!」・・・etc.
子供たちが授業中に出合っている様々な「驚き、喜び、感動、不思議!」に、しっかり耳を澄ませられるようになりたい先生のために、文部科学省教科調査官・岡田京子先生が筆をとりました。
==============================================
「子供って面白い。図画工作って面白い。
図画工作で子供が育つ。教師としての力も育つ。
図画工作を通して、みんなが成長する。
これは、日本全国各地の子供たちと先生方との出会いから得た私の実感です。このことを多くの方に知ってもらいたいという思いでこの本をつくりました。この本は、子供と図画工作の先生方に、そして子供に関わるみなさんに届けたい、『一緒に成長しよう』という私からのラブレターでもあります。」 (はじめに)より―。
はじめに
Chapter1. 魅力いっぱい図画工作!
図画工作科という教科
Chapter2. 教師として成長する―こんな教師力が伸びる!
自分の指導を振り返り考える
育まれる教師としての力
1 情報を取捨選択する力
2 ねらいが明確な指導をする力
3 学習の質を捉えることのできる目
4 子供のよいところを伝える力
5 学級経営の手腕
6 冷静に自分自信を振り返る力
7 感性や創造性
8 保護者や地域の方とよい関係をつくる力
9 子供の活動を予測する力
Chapter3. 子供が夢中になる! 指導のヒント
表現したものはその人そのもの
指導のポイント
1 指導の計画を立てる
2 材料や場所の準備をする
3 さあ、授業【導入】
4 授業中には…【展開
5 授業中には…【終末】
声かけのポイント
1 学びを深める教師の声かけ
2 様々な声かけ
3 声かけのタイミング
4 伝える
Chapter4. 授業をのぞいてみよう!
各学年の子供の特徴
低学年 まぜたらへんしん いろいろいろみず
低学年 いろいろな道を遠足
低学年 ゆらゆら ぱくぱく
中学年 おいでよ! アイスの森
中学年 みどりの絵―葉っぱコレクションより―
中学年 ミロを見てミロ、感じてミロ
高学年 色水と場所がつくるいい関係
高学年 凸凹の絵
高学年 挑戦! みんなは未来の建築家
Chapter5. 成長する子供たち―こんな力も伸びる!
こんな力も伸びる!
自分で決める
1 「こっちにしよう」 比べて決める
2 「こうすればできるかな」 失敗から学ぶ
3 「こうしたらこうなるだろう」 予測する
一歩踏み出し、そしてやりきる
1 「よし、やってみよう!」 一歩踏み出すやる気と勇気
2 「違う、似ている、人それぞれ」 多様性を感じる
3 「できた」 最後までやりきる
みんなでつくる、認め合う
1 「みんなでやった」 みんなでつくりだすことの喜びを知る
2 「もっと見せて」「それいいね。やってみよう」 共感の声
3 「へえー、あぁ」 感嘆の声
子供の言葉から
おわりに
SPECIAL THANKS
著者紹介