Left Continue shopping
Your Order

You have no items in your cart

Promotion
Read more

発達障害のある子どもに寄り添う大切な「ミカタ」

鈴木 徹/著


読者対象:小学校教員・中学校教員・高等学校教員・特別支援教育担当教員

出版年月:

ページ数:96

あたたかい子どもの見方を持ち、子どもの味方になる

本書の概要

発達障害のある子どもたちは、いろいろなことにつまずきやすい。このような子どもたちを前に、支援者はどう対応したらよいか。あたたかい子どもの見方(ミカタ)を持ち、子どもの味方(ミカタ)になるために、五つの事例から共に考えていく。

本書からわかること

誰にとっての「問題」?

たとえば、授業中に大声を出して走り回る子どもがいたとします。その子どもの行動によって、しばしば授業が中断されてしまいます。 先生方にとってはその対応の難しさが問題になり、困難さを感じます。
一方、その子どもは、そうした行動でしか自分の思いを表現できないことに困難さを感じているかもしれません。
この場合、子どもを静かにさせようとする指導ではなく、子どもが適切な方法で意思を表現できるように支援することが望ましいでしょう。

遠回りなようでも

大声を出したり走り回ったりさせないために押さえつける方法では、うまくいかないことが多いかもしれません。
そんなとき、視点を変えて、どうすればその子どもが感情を爆発させなくてすむか、環境を調整していく方法を考えてみてはどうでしょうか。 どんな行動にも、理由はあります。
子どもの気持ちに目を向け、その理由を丁寧に探ることで、きっといい方向に向かっていくことでしょう。たとえ、少し遠回りになったとしても。

「知識」が隠してしまうもの

「突然、衝動的に大きな声を出す」「走り出したり、席を離れたりするなど多動だ」「だからADHDに違いない」。
障害特性に関する「知識」があると、その子どもの行動は障害のみに起因するものであると考えてしまいがちです。
ただ、そこに注目しすぎてしまうと、子どもがどんな気持ちでその行動を取ったかに意識が向かなくなってしまいます。
「知識」は大切な情報にはなりますが、それだけでその子どものことをすべて理解できるわけではありません。

まずは「思い」を育てる

その子ども自身も、できれば大声を出したり走り回ったりはしたくないと思っているかもしれません。
「○○したい」「□□ができるようになりたい」と思っていても、それがうまくいかないから、そのような行動で表現せざるをえないのかもしれません。
性急に「○○ができる方法」を教えるのではなく、まずは「○○したい」「□□になりたい」という思いを育てていくこと。
そうした思いが育っていけば、子どもは自分の力で歩き出そうとしていきます。

五つの事例と共に

本書の前半では、発達障害のある子どもを理解するためのこうした考え方や支援の在り方を解説しています。
また、後半では、五つの事例から、実際に著者がどのように子どもたちとかかわりを持ってきたかを紹介しています。
あたたかい子どもへの見方(ミカタ)を持ち、子どもの味方(ミカタ)になるために、著者と共に考えていきましょう。

こんな先生におすすめ

・発達障害のある子どもに対してどのようなかかわりを持てばよいか悩んでいる先生
・障害の有無にかかわらず、理解できない行動をする子どもの気持ちを知りたいと思う先生
・よりよい支援の在り方を模索している先生
には、ぜひご一読をおすすめします。

目次
まえがき

第Ⅰ章 支援者が大切にすべき「ミカタ」
 子ども理解
 支援の在り方

第Ⅱ章 子どもの「ミカタ」
 「ペンを見ただけで殺意を抱きます」と話していたアキラくん
 「特別待遇ですよ」と話すサトルくん
 人間関係に悩み続けたツヨシくんが求めたもの
 学生と一緒に行う学習支援を何より大切にしたノボルくん
 「話したい。変わりたい」と願い続けたリナさん

あとがき