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学校改革5つのアクション―日本橋小は、どのようにして学校を再生したのか

児玉 大祐/著


読者対象:小学校教員

出版年月:

ページ数:216

教員の指導を受け入れない子供たち、成立しない授業、絶え間ない保護者のクレーム、問題行動への対応に追われ疲弊しきった教員たち……そのような中、日本橋小学校はどのようにして崩壊の危機を乗り越え、全国研究発表会ができる学校へと短期間で再生したのか。様々な教育課題を解決するための「学校改革」の羅針盤とも言える経営の考え方と手法のすべてを1冊に!

本書の概要

本書は、疲弊した日本橋小学校の諸問題を打開し、子供も教員も豊かに学びを深めていける学校にするために行ったアクションを、次の5つの切り口から紹介しています。

  • [アクション①]教員が子供と向き合えるようにする
  • [アクション②]教員の時間的・精神的なゆとりを生み出す
  • [アクション③]教育の質を高める
  • [アクション④]教員のマインドを変える
  • [アクション⑤]保護者・地域の期待感を高める

本書からわかること

崩壊の危機にあった学校がどのようにして乗り越えたのかがわかる

かつては、指導を繰り返しても言うことをまったく聞かない子供たち、授業中、好き勝手に立ち歩く光景が、日常的に見られた日本橋小学校。教室や廊下の掲示物は剥がれ、廊下に掛けてある体操着袋やごみも散乱するなど、教室環境も目を覆いたくなるほどでした。
そのため、子供の心はすさみ、どの学級でも、物を隠す、友達の悪口を言う、暴力を振るう、いじめとおぼしきことも起きるなど、学校教育を担える場になっていなかったのです。
このような状況にあった日本橋小学校は、わずか3年あまりで崩壊の危機を乗り越えただけでなく、全小社研全国大会の会場校の一つとして全国の先生方に対して研究成果を発表し、称賛の声が上がるほどに至ります。
本書では、そこに行き着くまでのプロセスと改革の手法を詳らかにし、多くの学校で教育課題を解決するためのヒントを示しています。

本当の意味での「働き方改革」の具体がわかる

「働き方改革」は「子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができる」ようにすることが目的です。裏を返せば、先生方の「授業を磨く」ための時間を生み出すことであり、業務の効率化、残業時間の縮減は、そのための手段だということです。
もちろん、先生方の心身の健康を害することのないよう、常に業務量に気を配り、適正化を図らなければなりません。しかし、それと「働き方改革」とは話が別。直接的に結び付けてしまうと、「仕事が減ってよかった」という段階で止まってしまい、肝心の「教育活動の充実」「授業改善」が置き去りにされてしまう危険性があります。
「働き方改革」という名のもとに、たとえば教材研究や校内研究を行う時間などを削り、その代償として教育の質的な低下をもたらしてしまうのであれば本末転倒。業務を減らすことにとどまる「働き方改革」では意味がないのです。
そこで本書では、授業づくりや研究・研修に注力できる時間的なゆとり、教員同士が切磋琢磨し合える精神的なゆとりを生み出す「働き方改革」を推進し、教員一人一人がやりがいをもって本来の業務に専念できるようにし、教育の質を向上させる方法を紹介します。

教員の時間的・精神的なゆとりを生み出す改革の実際がわかる

  • ・「100点主義」ではなく、「満点主義」で教員の力量形成を図る
  • ・「選択と集中」によって、限られたリソース(経営資源)を最大限に活用する
  • ・大量の「余剰時数」を計画的に放出する
  • ・15分間の「モジュール授業」を導入する
  • ・宿題を課すのをやめる
  • ・子供、保護者、教員の三者が意味と価値を見いだせる学校行事に再編する
  • ・校舎の同じ階のフロアに異学年を配置する など

上記は、日本橋小学校が行った改革のほんの一部。これらの取組をどのように取り入れ、成果を出していったのか、その具体を紹介します。

「教育の質を高める」方法がわかる

  • ・相互授業参観システム「OJTウィーク」を実施する
  • ・子供の実態に応じた交換授業を推進する
  • ・「働き方改革」で生み出した時間的・精神的なゆとりのもとで、授業研究を推進し、全国大会に挑む
  • ・教員自らがボトムアップで学校を改革していけるシステムを導入する など

上記もまた、日本橋小学校が行った改革のほんの一部。これらの取組をどのように取り入れ、教育の質を高めていったのか、その具体を紹介します。

目次
序 章 「学校が崩壊する」とはどういうことか
以前の日本橋小学校はどのような状況だったのか
何が日本橋小学校を崩壊させたのか
1 特別な配慮を要する子供への対応が適切ではなかった
2 暴力行為への毅然とした対応をとっていなかった
3 授業がつまらなかった
日本橋小学校はどのような変化を遂げたのか
「校長」とはどのような職なのか
1 校長の職務命令にどれだけの効力があるのか
2 校長は自分の意図どおりに教育課程を編成できるのか
3 校長は所属職員の人事にどれだけ関与できるのか
4 校長は予算編成・執行にどれだけ関与できるのか
5 「校長」が実質的にできることは何か
学校を立て直すために、どのような手が必要だったのか
教育の質的な向上を図る取組を通して学校を再生する

第1章 [羅針盤]学校を再生するために必要なこと
「一〇〇点主義」ではなく、「満点主義」で教員の力量形成を図る
本来の「働き方改革」
「ワーク」の充実は、「ライフ」の充実
「負担感」を減らす
1 「負担感」は心が決めるもの
2 早く帰ることもプロ教員の大切な仕事
学校改革の本丸は「授業」
研究授業を引き受けることの価値
問題の未然防止に全力投球
1 なぜ、子供の暴力の根を絶つことができないのか
2 暴力行為に対しては毅然とした態度で臨み、保護者に対しては粘り強く対話する
3 築城三年、落城三日
4 教室環境の乱れを見逃さない
限られたリソース(経営資源)の「選択と集中」
1 なぜ「選択と集中」が必要なのか
2 「選択と集中」で教育の質を向上
一〇回の電話より、一回の面談
どのようにして改革に着手したのか
1 シンプルなメッセージで目的を明確にする
2 適切な順序で改革に着手する

第2章 [アクション①]教員が子供と向き合えるようにする
全児童一律に「宿題」を廃止する
1 子供ではなく、宿題と向き合う教員の姿
2 「宿題の廃止」に反対する教員
3 家庭学習の習慣化は、学校教育が担うべきことではない
4 宿題を課せば、家庭での学習習慣が定着するわけではない
5 宿題を課していれば、基礎学力が定着するものではない
6 授業を通じて子供たちの学力の定着を図る
7 保護者は宿題廃止についてどう受け止めたのか
8 「マイ・スタディ」で緩和
9 宿題を廃止したことでどのようなことが起きたのか
「ワークテスト」を廃止する
1 子供ではなく、ワークテストに向き合う教員の姿
2 どのようにしてワークテストを廃止したのか
3 ワークテストを廃止したことで、どのようなことが起きたのか
「スポーツ・フェスティバル」への改革
1 子供が自らの主体性を発揮できてこそ、学校行事を行うことに意味が生まれる
2 全学年で運動会の種目を絞る
3 種目を絞り込んだことで、どのようなことが起きたのか

第3章 [アクション②]教員の時間的・精神的なゆとりを生み出す
授業時数を見直す
1 「余剰時数」について考える
2 大量の「余剰時数」を放出する
一五分間の「モジュール授業」を導入する
1 授業をモジュール化することのメリット
2 「モジュール授業」を実現するためのハードル
3 「モジュール授業」に取り組んだことで、どのような効果があったのか
学校行事を教科学習として実施する
極限まで業務を見直して、時間的なゆとりを生み出す
1 週ごとの指導計画「週案簿」を電子化する
2 職員会議を廃止する
3 学年だよりを廃止する
4 ペーパレス化・デジタル化を促進する
5 熱中症指数を自動計測する
6 放課後遊びの管理を外部スタッフに委託する
7 地域行事への関わり方を見直す
8 学校独自の「学校携帯電話」を導入する
9 通知表を作成する回数を減らす
過度の負担感や生活指導のリスクを減らして、精神的なゆとりを生み出す
1 「学芸会」をやめたのは何のためか
2 なぜ音楽会「ミュージック・フェスティバル」としたのか
3 「展覧会」から「デジタル展覧会」へ移行する
4 一斉掃除を廃止する
5 校舎の同じ階のフロアに異学年を配置する
6 「水泳カード」をやめる
7 水泳「進級カード」をやめる

第4章 [アクション③]教育の質を高める
交換授業(教科担任制)を推進する
1 交換授業の形態
2 児童評価(児童アンケート)の結果から見えてきたこと
他の学級の授業を参観する「OJTウィーク」を実施する
1 他者の授業から学ぶ
2 相互授業参観システム「OJTウィーク」を位置付ける
本気で問題解決的な学習を行う授業を研究する
1 学校を再建する切り札として全小社研全国大会の会場校に名乗りをあげる
2 どのように先生方に伝え、納得してもらったのか
3 どのように研究内容を決めたのか
4 どのような人材を研究主任に充てたのか
5 何が先生方の授業力向上を牽引したのか
6 全国研究発表会の授業はどうだったのか
7 子供たちは自分たちの学習をどのように捉えていたのか

第5章 [アクション④]教員のマインドを変える
教員からのボトムアップで学校を評価できるようにする
1 教育課程改善チーム
2 授業改善チーム
3 特色ある教育推進チーム
4 働き方改革チーム
「校長だより」を通してマインドを喚起する
抜擢人事でマインドの変化をもたらす
1 経験のない教諭を教務主任に抜擢する
2 若手を六年生の担任に抜擢する
勤務の弾力的な運用でマインドの変化をもたらす
1 連休の創設を打診する
2 土曜日勤務を弾力化する

第6章 [アクション⑤]保護者・地域の期待感を高める
保護者が学校を信頼するということ
後退感なく「学校改革」への理解を深めてもらう
新しいチャレンジを打ち出すことで、〝わくわく感〟をもたらす
1 コロナ禍に「オンライン朝の会」を実施する
2 一人一台タブレットを活用した英会話と読書でアピールする
3 地域に対して本校の存在をアピールする
4 他校に対して本校の存在をアピールする
5 平日に休みやすい雰囲気をつくりアピールする
6 子供の「安全・安心」をアピールする
特別な配慮を要する子供の居場所をつくりたかった
学校から発信する文書を精査し、保護者の信頼を損なわないようにする
苦情ゼロを目指すべきではない

終 章 改革は日本橋小に何をもたらしたのか
日本橋小はどのような学校だと見られるようになったのか
学校改革は「凡事徹底」
改革の覚悟
学校は利害関係が複雑な職場
元の木阿弥にしない
著者プロフィール
児玉 大祐(こだま だいすけ)
小学校教諭として練馬区、豊島区、杉並区の公立小学校、在外教育施設(スペイン ラス・パルマス日本人学校)に勤務。その後、指導主事・統括指導主事として、国立市教育委員会、東京都多摩教育事務所等を経て、東京都青少年・治安対策本部青少年課長、東京都教職員研修センター企画課長、東京都教育庁指導部主任指導主事、同総務部教育政策課長等を歴任。この間、社会科教育を中心に、文部科学省「専門的作業等協力者(小学校社会)」や「カリキュラム・マネジメントの在り方に関する検討会議委員」として学習指導要領の改訂に関わるとともに、「教科用図書検定調査審議会委員」等も務める。